戦後の混乱が落ち着き、高度成長期に入ると生活にも余裕が出てきて、様々な嗜好品も製造販売されるようになりました。「すずき製菓」は、中学校卒業後、シュークリームを製造販売していた静岡の菓子店に奉公していた先代が、昭和40年にベビーシュークリームの製造卸業としてスタートしました。
当時のクリームは今とは違いバタークリームを使用し、洋菓子がまだそれほど普及していない中、飛ぶように売れ、寝る間も無く作っていました。
しかし、今と同様グルメブームは新しいものへと変遷していき、売上も少しずつ下がっていきました。工場では当時の子どもたちに駄菓子として親しまれていた、いわゆる「ポン菓子」を製造する機械も取り入れ、甘いシロップのかかったポップコーンなども製造したりしながら、事業の継続を模索していました。
そんな中、菓子製造の高い技術が見込まれ、大手菓子店のオリジナル商品の製造を委託され、従来の製造卸から委託製造にシフトして現在に至っています。
今まで培ってきたノウハウを活かし、委託製造のかたわら、静岡県の地場産品を使い、美味しくて新しい、県を代表するようなオリジナル製品の開発をしています。
いま注目されているのは、静岡県が支援している、製紙会社がチップを使って開発した気泡を安定させる新素材。それを使用し、しっとり粘りあり、ふっくらした食感を楽しめるマドレーヌの製品化を目指しています。
商品化できたら、工場の一角を店舗にして自社販売をしていく予定です。